話すよりラク!聞く会話術 書評[vol.4]
こんにちは、ぺもです!
今回も以前ぺもブログで紹介した書籍の紹介になります。
今回は『話すより10倍ラク! 聞く会話術』の書評をしていきます。
本書の「はじめに」の部分にこんな言葉があります。
大切なことは、いつもどおりのあなたでいられる場をつくること。
余計な緊張などしなければ、だれもが、本来持っているコミュニケーション能力を発揮することができるからです。
『話すより10倍ラク! 聞く会話術』より
著者の方はコミュニケーションが得意でない方は、「自分はコミュニケーションが下手だと思い込みすぎている」と主張しています。
そして、そんな人に勧めているのが、相手を主役にする=自分が聞き手に回ること、です。
本書では相手を主役にするための場の作り方をメインに紹介しています。
それでは、『話すより10倍ラク! 聞く会話術』の書評スタートです!
著者について
著者は西任暁子(にしと あきこ)さんです。
慶應義塾大学在学中に、3000人を超える応募者の中から、ラジオDJオーディションに合格し、デビュー。東京FMやFM横浜をはじめ、全国のFM局でおよそ30本の番組を担当。
スティーヴィー・ワンダー、ビヨンセ、松任谷由実、渡辺謙など国内外のさまざまなジャンルの著名人、5000組以上にインタビュー。
公式Twitterはこちら。
『話すより10倍ラク! 聞く会話術』の目次
これらの5つの章で成り立っています。
これらはそれぞれ「はじめに」で紹介されている「相手を主役にする5つのステップ」に対応しています。
まずは相手を好きになることで自分と相手にコミュニケーションの準備をさせ、場をあっためて相手が話しやすい状況を作り、相手を褒めることで心を開いてもらい、相手が話したいことを引き出した上で、その話を盛り上げる。
会話を盛り上げて、「もう一度会いたい」と思わせる普遍的なテクニックが満載です。
より詳しい説明はこちらをどうぞ。
[驚愕]会話が続かない悩みを持つ人が学ぶべき「聞く会話術」とは[書評] | ぺもブログ
相手を褒めることで心を開いてもらう
さて、私が本書でいいな、と思ったのは「CHAP.3 褒めて心を開いてもらう」です。
人は褒めてもらうととても嬉しく感じます。それは誰だってそうでしょう。
いつも怒られているよりも、褒められる方がモチベーションもずっと高くなりますよね。
それは承認欲求(自己重要感)が満たされてるからです。
[重要]相手に安心感を与えて好感度を上げるための知識[コミュニケーション] | ぺもブログ
こちらの記事で詳しく取り上げていますが、簡単に言うと、人は承認欲求(自己重要感)を満たしてくれる人に好感を持ちます。
つまり、相手を褒めるということは相手から好かれ、心を開いてもらう方法としてとても優秀なのです。
では相手を褒めるとは言っても、「どこをどのように」褒めたらいいのでしょうか。
闇雲に褒めても「私のアピールポイントはそこじゃないんだよなぁ…」となってしまいます。
一方で、的確にアピールポイントを褒めることができれば「そうなんですよ!これはね…」という風に相手が気持ちよく話せるきっかけになります。
次の章からは「どこをどのように」褒めるべきかを私の実体験と共に考えてみましょう。
相手のアピールポイントを探す
相手を褒めるポイントはズバリ「他の人と違うところ」です。
なぜなら、その人が他の人と違うように見せているものはその人のポリシーだったりアピールポイントである可能性が高いからです。
私が中学生の時にトトロ柄のネクタイをしている先生がいました。
私が「先生のネクタイ、トトロの柄ですね」と言った途端、食い気味で「よくわかったね!!!!!」と興奮し、そのまま30分ほどジブリとトトロの話をされたことがあります。笑
その先生はジブリ、特に『となりのトトロ』が大好きで、それをネクタイでアピールしていたということですね。
このように相手を褒める際は他の人と違うところを探しましょう。
一方で、褒めてはいけない箇所も存在します。
それは、「相手が自分の意思で変えられないものは褒めない」ことです。
私自身はこういったことでトラブルはないのですが、西任さんは過去のインタビューでこんな体験をしたそうです。
あるアメリカ人男性に「顔が小さくていいなあ」と言ったところ「まるで僕の脳みそが少ないみたいな言い方するね。失礼だな」と不機嫌そうに言われてしまったそうです。
このようにいくら自分がいいと思っていても相手にとっては不快に感じる場合もあります。
詳しくは後述しますが、褒めた後に感想を言って「私はこう思っていますよ」と伝えることはできますが、本人が自分の意思で変えられないものは褒めないように心がけましょう。
髪型や洋服など、その人の意思で変えられることはいいんです。でも身長や体型など、変えたくても変えられないことは、どんなにいいなと思っても相手に伝える前に、一度立ち止まってみてください。
『話すより10倍ラク! 聞く会話術』より
「素敵」を使えば簡単に相手を褒められる
では、褒めたい場所を発見したらどのように褒めればいいのでしょうか。
本書では「素敵」という言葉が魔法の褒め言葉として紹介されています。
「素敵」は、どんなときもどんな人にも使えるオールマイティな魔法の褒め言葉です。
『話すより10倍ラク! 聞く会話術』より
先程の例で「素敵」をつけるなら「先生のネクタイ、トトロの柄ですね。素敵なネクタイですね。」といった感じでしょうか。
一気に褒め言葉に聞こえてきますね。
他にも「素敵な髪型ですね」「素敵な服の柄ですね」などとりあえず褒めるときは「素敵」という言葉をつけておけばOKでしょう。
本書ではこれの応用編として、「素敵」の代わりに「おしゃれ」や「かっこいい」といった他の形容詞をくっつけるとよりあなたらしさが出る、と書かれていますが、正直「素敵」だけで十分すぎるほどの活躍をしてくれると思います。
また、日本人は謙遜をしたがるので、褒めても「いやいや、そんなことありませんよ」と正直に受け取ってもらえないことも多々あるかと思います。
そういった場合も加味して「私はそう思いますよ」という感想も褒め言葉にくっつけてあげるとベターです。
それならば「あなたはそんな風に思っていないかもしれないけど、私はこう思っていますよ」ということをアピールできます。
例えば、「先生のネクタイ、トトロの柄ですね。素敵なネクタイですね。こんなおしゃれなネクタイつけているの先生ぐらいですよ」という感じです。
相手を褒めるときは「素敵」という言葉をつける、褒めた後にその感想をつける、という2つのことを意識しましょう。
聞く会話術とは攻めの会話術なり
いかがだったでしょうか。
会話というのは「話をしなければならない=話をしている側が主導権を握っている」とバイアスがあります。
だからこそ多くの人は「話し方」で悩んでいて、「聞く技術」にはそっぽも向かないわけです。
しかし、「褒めて相手の心を開く」というところでは、会話をこちらがコントロールしていました。
どういうことかというと、「先生のネクタイ、トトロの柄ですね。」と話かけた時点で相手のそれに対する返答は「ネクタイ」というキーワードか「トトロ」というキーワードかの2択に絞り込まれています。
先程のバイアスが前提なら相手は30分以上話をしていた=会話の主導権を握っていたということですが、その実、「ジブリ、トトロ」というキーワードを使って相手に30分間話を"させた"のはこちらなのです。
このように『聞く会話術』とは受け身で守りの技術ではなく、相手をコントロールする、攻めの技術です。
今回はCHAP.3に絞って『話すより10倍ラク! 聞く会話術』の書評をしましたが、全チャプターで「会話はしたいけど何を話していいかわからない方」「自分の話に自信のない方」が「いつもどおりでいられる方法」が載っています。
ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。